【第29話】ぱんくの小説 〜 第2話&3話 PUNK SIDE 〜
🎬✨
こ、この寝室はいったい・・此処は何処なんだ?そう心の中で呟いた瞬間、この場所に辿り着くまでの出来事が映像となってあの白い壁に投影され始めた。
効果音「キュルルルルルルル .. . ジーーー.. . 」
あのジャックとジョーカーのやり取りを観る前の映像なのかこれは・・
ポケットの中を右手で探りながら小銭を数枚取り出して俺は喫茶ラビアンローズでお勘定を済ませた後、店の重たいドアを開けて2、3歩・・歩いて振り返っている(コーヒーを飲んでたはずの喫茶店が無い)・・。幻想?それとも?いったい何だったんだ。ずっと夢の中なのか今も?・・
そして、そのまま黒いギターを左手で掴みながらラビアンローズに向かうジョーカーを追いかけて、追いかけ続けて、もうクタクタな腹ペコで既に力尽きていた俺は、ストリートアートなペンキにまみれた奇抜なシャッターに寄りかかりながら寝てしまった。
効果音「ザーーーーーッ」
突然降り始めたどしゃ降りの冷たい雨で目覚めた。ふと足元を見ると、誰かに履かされたのかズッシリと重いこの両足の黒いメタリック調のロングブーツ、ん?何だこの青く光るボタンは?もう押さずにはいられないこのボタンをグッと押した。何故か握っていたこの取説通りブーツに取り付けられているこの小さな水色の折りたたみ傘を引き抜こうとしたが何故かその隣の赤いボタンを強く押してしまった・・
「ダンッ」「着地シマシタ18人目ノ成功者デス」
(この前は3人目だった・・1人を1でカウントしていないのか?それともコレだけの人数がこのクレイジーな世界にやって来たというのか・・)
気が付くと俺は、見た事がない路地裏の駐車場に居た。瞬きすると、何故か次は家のベッドに仰向けになっていた。うたた寝していたのか?
・・いったいどれだけの時間が
流れたのだろう・・
スッとベッドから降りていつも通り床に着いたはずの左足がズブズブ沈んでゆく・・まるで柔らかい粘土のような地面に足を入れているかのようなこの感覚・・みるみるうちに体ごと沈んでそのままツルンッとすり抜けてマンションの下の階まで落ちていた。痛っ!こ、これは何だ?(此処は何処だ?)エキゾチック過ぎるこの色彩と配色そして見た事の無い奇抜なデザインのインテリア・・目を疑った。瞬きするとその配色までもが変わる不思議な部屋?!もうどうにでもなれ!
zzz .. .
どうせまだ夢の中なんだコレは・・
コレもアレもソレもドレも・・
何もかも視界に入るもの全部・・
何でもありなこの夢の世界(そうか作り上げているのは自分なのか自分自身がイメージしたモノなのか)・・、頭の中で好きなようにイメージした通りに観えて、それがまた好き勝手に動いてテンポ良く変わるアーティスティックな自由な空間だという事はもう分かった。確かに夢の中だ此処は・・もうこうなったら思いのまま空想してやる(丁度時間をもて遊んだいたところだ)zzz .. .
〜 第3話 PUNK SIDE 〜
そして、暫く歩き続けると、足元に風に飛ばされて来た新聞が絡みついた。手に取りその黒く印字された日付の欄に目を疑った(嗚呼)・・
目覚めたのではなく、目覚めた夢の中でタイムスリップをしてしまっていた俺は、何の違和感も無くイギリスの街中に立っていた。
どうやら此処は本当に1970年代のようだ。
ポケットからgloを取り出した後、ネットに繋がらないiPhoneを取り出して、上着のポケットに戻した。そして暫くの間・・いつの時代も変わらない空を眺めてみる事にした。
そう、この國で登場したロックの一種だと街で噂されてる音楽をリアルタイムで体感する為に、自由なこの國(夢)の中で俺はハンバーガーを食べていた世田谷の街から10秒で此処イギリスまでやって来たのだと言い聞かせて、此処で暫く過ごす覚悟を決めた。
遠くで心地良いバスドラの音が聴こえた・・
この街の片隅で瞬間移動に近い速度で現れた俺は、何か物足りない商業主義的な空気みたいな気配を感じながら、自分自身の年齢も25歳に戻してみた(おっと何だ?通信が入った)・・
ぱんく「ハイぱんくです」
マスター「オイぱんく何やってんだソコは何処だいつだ何時代だ?25歳て(笑)」
ぱんく「マスター、いつか何処かで読んだ通りだったよ・・この國も社会的なメッセージ性が希少になっている。ごめん応答になってなくてマスター、まぁ何となく感じ取ってくれよなじゃあ切るよ!そろそろライブ始まるから!」
小型通信機「ツーーーーッ」
マスター「そこに突如としてPUNK(社会への不満や怒りを過激に表現する音楽・ヘアスタイル・ファッション)が登場したって訳か・・」
小型通信機「ツヅーーッ!!!」
ナレーション「予定より早く目を覚ましてしまったぱんくは現代に戻り、いつもの自宅の白い天井を見ながらほんの少しだけ考えていた・・」
I'm a lazy loser .. .
決してそのままではないけど、心の中を表現しようとした時に出る波動が、このPUNKに似てる・・PUNKというジャンルは、音楽はもちろんだけど、あのビジュアルに本来あるべきアートとパワーを感じるし今も感じ続けている・・何もかも自由にして良いのなら、許されるのなら、ヘアスタイル、ファッション、持ち物、生き方、その何から何まで全身をPUNKにしてみたいそれと同時に、そう出来ない環境に今居るのかと不甲斐なさを再確認してしまう事になった。仕方ない(飽きるまでこのキャラクター「ぱんく」に委ねてみるか)・・
謎の女「今あなたが手にしたその耳にはめ込むタイプの小型通信機をこの場で装着して下さい。これであなたは私と話が出来るようになりました。それではまた・・」
ナレーション「何故かぱんくは今、199X年の海に隠されていた2090年のとある1日がプログラムされてるという球体の中に居た。」
ぱんく「な、なんだか、眠くなってきた・・」
小型通信機「ツーーーーッ ヅクッ」
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